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ニューヨーク駐在一家のテニス漬けライフスタイル [米国庭球見聞録]

【1999年の秋から「テニスジャーナル誌」に連載をした、「米国庭球見聞記第6回」】

友人の佐々木君は、とある損害保険会社の駐在員としてロサンゼルスに1年、そして日本に帰ったもののすぐに赴任を命ぜられ、今度はニューヨークに駐在となりました。お隣のニュージャージーに居を構えて4年目になります。学生時代から戦績は別として、オシャレなウエアーの着こなしと、且つとてもテニス好きで、卒業してからも諸先輩方が多く在籍する練馬区のプライベートクラブに入会していました。週末ともなると試合に出たり、クラブ内でのテニスと、オフタイムのほとんどをテニスザンマイという日々を送っていました。しかし、語学力を買われてか、テニスで培った体力を買われてか、持ち前のバイタリティーが功を奏したのかアメリカへの転勤が決まり、かれこれ5年がたちました。そんな彼が駐在員としてニューヨークでどんなテニスライフを送っているのか、また全米最大の都市ニューヨークのテニスフリーク達のトレンドとはどんなものなのかをレポートします。

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毎週水曜日の朝、佐々木君はいつものようにマンハッタンとの対岸にあるニュージャージーの自宅からラケットバッグを抱えて、交通渋滞の激しいフリーウェイをよそめに、フェリーにて会社へと出勤します。水曜日の夜は、彼の所属するU.S.T.A.レイティングレベル/4、5のチームメンバーとの練習会の開催される日なのです。彼はU.S.T.A.のメンバーになっていて、(全米テニス協会のこと。年会費(奥さんと2人分で40ドル)さえ納めれば、何の問題もなくレイティングレベルにあった練習会の情報やトーナメントの詳細を知ることができ、会費以上の収穫を得ることができます。)その特権とは、月に一度U.S.T.A.という会報が自宅宛に郵送されてきます。中にはなんと全米一のテニス専門誌『TENNIS』が同封されているのです! 日本で云うならば、日本テニス協会の会員になると毎月J.T.A.NEWSが届き、何とその封筒の中にはテニスジャーナルが同封されていることになります。洋書屋さんで毎月¥1280-支払ってゲットしているボクとしては羨ましいがぎりのことです。 (日本のテニス協会もこの位してくれるといいのにねえ)

さて、ご主人を送り出し、可愛いお嬢さんを「幼稚園」に送ってしまった佐々木駐在員の奥様はというと、ニューヨーク転勤後ご主人の影響で始めたテニスのお稽古に出発です。マンハッタンから空いていれば車で15分のここニュージャージーは、日本からの駐在の方々が多く住んでいる所です。日本食関係の食材はもとより、日本に関するありとあらゆる商品が揃えられた大手スーパーのヤオハンが、大きな店鋪を構えていたりします。このヤオハンの駐車場を隔てた隣には、インドアコート6面を有する大きな建物があります。何とここでは30年前のジュニアテニスのスーパースターである「伊勢丹スクール」所属の手嶋昭二さんが、「手嶋スクール」なるものを開講しレッスンをしているのです。手嶋さんは伊勢丹スクールを卒業した後、中央大学に進み主将として全日本プレ-ヤ-でもあり、現在の中央テニス部の土台を作った方としても活躍されました。大学卒業後、単身アメリカに渡り、日本人駐在員の方々を中心にスクールを開講し、ヤオハンよりも早くから、日本人をターゲットにしたビジネスを始めたお方なのであります。

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現在、ホップマンキャンプにいらっしゃる桜井隼人君も、渡米のきっかけは手嶋さんであり、彼も数年間はここでレッスンをしていました。また現在、八王子ローンテニススクールでヘッドコーチをしている、ボクと同期のキャプテンで、インカレ準優勝という輝かしき戦績を持つ上野純一君も、大学留年中に1年間ここでお世話になっていました。(20数年前に関東の大学テニス界に在籍していた方には懐かしい話でしょう)  話を戻します。赴任後、手嶋スクールでテニスを始めた奥様は、託児室が併設されていることもあり、子供を預けてはレッスンを受けていました。日本のフリークおばさま同様、徐々にはまっていき週1回のレッスンだけではもの足りず、自宅近くに在るフォートリーラケットクラブに入会。週に4日はテニスをしています。インドアコートなので雪が降っても問題なし。ワンピースファッションのお似合いになる体型を維持して日々テニスに勤しんでいます。ニューヨークのファッション動向としては、ボールホルダーの付いた短いスパッツにワンピースかスコート履き、二の腕丸出しでがんばっています。日本では多くの人がパンツですゼと話した所、「アンヴィリ-バブル!」という返事が返ってきました。あれは男性の履き物のようです。
さて、仕事を終えた佐々木君といえば、今日の練習会であるドームコートへ向います。チームメンバーが入会している、ウォールストリートのイーストリバーに架かる橋の上にある「ニューヨーク・ラケットクラブ」が今晩のコートです。レイティングで予め決まっているレベル同士の練習会です。国籍様々、肌の色(色々)職業諸々、ゲイの方もいれば、年齢もまた様々です。この地域では、4月から7月のシーズンでシングルス/2、ダブルス/3の団体戦が6~8試合組まれています。ここで全勝する為に毎週練習会が組まれているそうです。最初は外人独特の速いサーブに手こずったそうですが、今はリターン力もつき、互角に打ち合えるようになったそうです。もちろん個人戦のトーナメントにも積極的にエントリーする佐々木君ではありますが、ニューヨークの35歳以上の試合では、なんとあのフォレストヒルズで、(現在のフラッシングメドウの前に全米オープンの開催されていた天然芝のプライベートクラブ)プレーをした経験もお持ちなのです。普段はクラブ内に入る事すらはばかれる名門プライベ-トクラブが、年に1度であるにせよ一般プレーヤーの為に、丹誠込めて維持しているローンコートを開放してくれるのです。羨ましさだけでなく、その懐の深さを感じずにはいられませんでした。

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佐々木一家のテニス好きはとどまる事ををしらないようです。ボクがお世話になった2日間のテニス談義のなかで「ホップマンキャンプ」について、いかに素晴らしい所かという事を延々話した結果、なんとその2ヶ月後の夏休みに家族全員で1週間のコースを体験するため、はるばるフロリダまでいってしまったのです。今年小学校に上がる、愛娘の「ハ-チャン」もすでに洗脳され、全米オープンの開催される前日にある、アーサーアッシュ・キッズデイにも積極的に参加してしまったのです。そんな「ハーチャン」は現地テレビクルーの格好の標的になり、「日本から来たテニスガール」として取材され、お茶の間に楽しい話題を提供してくれました。

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ニューヨークには沢山のテニスショップがあります。ガット張りだけを専門とした「JEY'S STRING」にはお店の中に木製のロッカーがあり、それぞれの扉のプレートにはサンプラス、アガシといった名前が書き込まれています。これが選手用の専用ロッカーなのです。中にはラケットやストリングが保管されていて、選手からのオーダーで逐次張り上げていくそうです。もちろん一般プレーヤーの張替もやってくれます。ウエアーに力を入れて商品構成しているのが「メイソンズ」です。最近お店は移転してすごくきれいになりました。全米オープン期間中は毎年恒例のセールがあり、かなりお買得価格を提供してくれます。(オーナーのメイソンさん自身テニスが大好きで、何と自宅にはテニスコートをお持ちだそうです)また、一年中オフプライスの「テニスアウトレット」は、その名の通りラケット、シューズからウエアー、バッグ、アクセサリーに至る迄なんでもかんでもアウトレット価格なのです。売場面積も広く2~3時間では見切れないかもしれません。とにかく楽しいお店って感じです。量販店の「スポーツオーソリティー」は、もちろんバカデカイ店鋪です。高さ3メートル、横幅10メートル位の壁一面にはラケットが陳列されています。もちろんボールは箱で山積みにされていて、お店の中で店員さんが自転車に乗っているくらいひろ~いのです。ショップはまだまだ沢山あり、それぞれの個性を活かした面白い商品構成が楽しめます。全米オープン観戦と併せて、ニューヨークテニスツアーなんてのを組んでみるのも面白いかもしれません。(興味の有る方は是非お問合せ下さい)
ニューヨークでもテニスはやっぱりとっても元気でした。今回は佐々木君一家のテニスライフの一部をを紹介しましたが、違った形で楽しんでいらっしゃる方も多い事と思います。海外に駐在しながらもテニスを続けられ、仲間を増やしてゆくことの素晴らしさや楽しさは、羨ましいかぎりです。

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