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理想的テニスショップをサンディエゴで発見 [米国庭球見聞録]

【1999年の秋から「テニスジャーナル誌」に連載をした、「米国庭球見聞記第3回」】

ロサンゼルスの空港からロングビーチへと南に向かい、大平洋に突き当たったところでそのまま海岸線を南下しながら、ニューポートビーチ、ラグーナビーチを抜けて車を走らせること約2時間。メキシコとの国境に面するサンディエゴに着きます。
 ここはアメリカ海軍最強の基地を擁するカリフォルニア最南端の街。街並は古きスペインを思わせるような、何となく落ち着いた雰囲気が漂っている所ではありますが、かたや軍港には、たった今、帰港したばかりの空母エンタープライズが、その余りある大きさに異彩を放ち、映画「愛と青春の旅立ち」で見た訓練風景が、基地の横を通過するだけで拝めてしまうといった国防の拠点だったりするのです。
 前号にてその消息を紹介した元プロプレイヤーの立野君がプロデビューした後、武者修行のためのサテライトサーキット回りのエリアとして選んだのがここアメリカ。彼はまずサンディエゴを拠点として、ATPポイント奪取のため活動を開始しました。
 サンディエゴは1年を通して温暖の差が少なく(寒くなることがなく、フロリダのように夏が暑すぎず、降雨量も少ない)テニスをする環境としては最高の土地と言えるのではないでしょうか。よってリゾートとして開発されている所も多く、今は日本企業に買収されてしまったラ・コスタ、ケロッグのオーナーが道楽で作った、きれいなプライベートビーチを持つ「ラ・ホヤ」といった著名なものから「ミッションベイパーク」といった公園のコートにいたるまでリゾート感たっぷりな雰囲気を持っている所です。

今回は立野君と一緒に彼が約20年前単身乗り込んだサンディエゴを案内してもらいました。まず訪れたのは「バルボアテニスクラブ」。全米一の動物園「サンディエゴ・ズー」の近くにあるパブリックコートです。
 ここはパブリックコートにもかかわらず入会金が必要です。入会に際して20ドル。但しこれだけ!年会費なんて必要なし!毎回プレイする度にお金を払うなんてこともありません。コートを使用する際の予約ができる権利を得るといった具合で、まあ市営コートで楽しむという感じの所です。立野君はここをホームコートとしてアメリカでの活躍を胸に秘め、意気揚々とトレーニングを始めたそうです。訪れたのが夕刻だったのでコートは満杯! 様々なレベルの人達がテニスに興じていました。
 余談ですがアメリカのテニスコートを回っていてとにかく楽しいのは、どこでもかならずきちんとセンターコートがあるということ。ここバルボアでもかの有名な女性グランドスラマー、モーリン・コノリーを讃えた立派なスタジアムがありゴキゲンです。
 バルボアではコートの利用者をレベルによってきちんと棲み分けさせています。子供達の使う所が「チャレンジコート」、一般の人達は「コモンコート」、ガンガン試合に出ちゃう人が使うのは「トーナメントコート」となっていて、それぞれが3~5面で分かれています。学校が終わってやって来た子供達にはボランティアのおじさんやおばさんが中心となってU.S.T.Aのカリキュラムに則ったレッスンをしたりして、奉仕の精神が確立しているアメリカならではの光景を目の当たりにしました。

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サンディエゴのダウンタウン「ユニバーシティーストリート」に『レイズテニスショップ』があります。今までに見た中で究極に近いショップです。
 オーナーはボブ・レイさん。元プレイヤーでした。お店を切り盛りしているのは奥さんのヒロコさん、日本人です。ヒロコさんはボブさんが仕事の関係で日本に滞在している時に知り合って結婚、渡米。テニス好きが高じたご主人がテニスショップを開業、共に経営するようになって25年。一日に20~30本のガット張りをこなすバリバリの現役。少々口は悪いが、江戸っ子がアメリカに行って商売をするとキットこんな感じなんだろうと思わずにはいられない位、精力的で「気っ風のイイ」お人です。このヒロコさんを頼って武者修行にサンディエゴに渡った日本人プレイヤーは数知れず、立野君に及んではなんと図々しくも居候させて頂いたとのこと。

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40坪位のお店の中にはラケットが200種以上、ウェア、シューズのラインナップの充実さも立派なものです。ボールに至ってはケース単位で山積みされていて(何といってもアメリカではボールがとっても廉価で販売されており、この日、立野君も2ケースまとめ買いをしていきました)お店の中は所狭しとテニスグッズで満杯です。何が究極かというと、お店の裏にはハードコートが一面鎮座ましましていて、ボブさんのレッスン、ボブさん相手のラケット試打と何でもござれなのであります。(「新しいラケットがきたから裏で旦那相手にチョット打ってみなっ」てな感じです)勿論、すべてが私有地内、参りました!
 お客さんがみんなヒロコさんのお馴染みさんになってしまい、ボブさんの現在の仕事はレッスン中心。最近ではホームページを開設し、通信販売を中心としたインターネットビジネスに励んでいます。今や大手量販店の著しい台頭のおかげで「テニスストア」と呼ばれる街のテニスシヨップが少なくなりつつあるアメリカ国内。そんな状況の中で『レイズテニスショップ』はサンディエゴのテニスフリークにとっては欠かすことのできないお店といっても決して過言ではないと確信しました。

世界有数のリゾートであるフロリダ。そこにはたくさんのテニスキャンプが存在し、数多くのプロが練習に励み、また多くのプロの卵たちが将来のスターとなるべく夢を追い続けています。
 ここ南カリフォルニアのサンディエゴエリアもまた、規模では比べ物にならないくらい狭い地域ではありますが、サンディエゴ大学で開催されるナイキ主催のキャンプがあったりしてジュニアの育成に関してはとってもポジティブです。アメリカ西海岸のパック旅行のルートからはちょっと離れた感じのするサンディエゴですが、「ラ・ホヤ・ビーチ&テニスクラブ」に宿泊してテニスを楽しみ、シーワールド等の観光かたがたヒロコさんのテニスショップを覗いてみるってな旅を企画してみてはいかがでしょうか。
次号ではフリークを自称するなら誰でも一度は行ってみたい「ホップマンキャンプ」のご紹介を。フロリダはこれから12月から3月までがトップシーズンです。

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ショップにやってくるお客さんの相手は奥さんのヒロコさんに任せているボブ・レイさん


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